《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
「なんでも好きなの頼めばいい」
大通りに面した大衆食堂。大きな駐車場があり遅い時間に食事をとる人達が車でやってくる店のようだ。店内は、作業服姿やタクシーの運転手が大半で、割と混雑している。
「はい、じゃあ……ニラレバ定食と餃子と、あ、でも……生姜焼き定食もいいし、から揚げかあ〜味噌煮込みうどんも美味しそ。どうしよう……迷います」
テーブルの端に置いてあるメニュー表を見て、一子は困っていた。
ーーーどうしよう。食べたいのばかりだけど……。
ちらっとメニューから目線を上げて秀馬を見た。
ーーー真田さんは、何を食べるんだろう。
「決まったか?」
一子が頷くと、秀馬が店員を呼んだ。
「お決まりですか?」
店員と秀馬の視線を感じ、一子が注文をした。
「あ、ニラレバ定食……でお願いします」
ーーー仕方ない。財布の中身と相談したら、いくらお腹が空いていてもニラレバ定食で十分。
「俺は、餃子4人前とから揚げ、それと生姜焼き定食」
ーーーはあ〜良かった。私よりたくさん食べるんだ。真田さんって。スリム体型なのにな。
きっと、肥らない体質なんだわ。
一子はグラスを掴み水を飲む秀馬をそっと見上げた。