《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
「迷惑かどうかは俺が決める。送るかどうかの話を寒空の下ですることの方が迷惑だ」
「あ、はい……すみません」
完全に萎縮し頭を下げる一子。
「……あんた、電車とタクシーどっちがいい?」
「え?」
「あんたに、それ以上小さく萎縮されたら困る。だから、あんたが出来るだけ気に病まないで済む方法で帰りたいんだが」
ーーー私が謝ってばかりだから、余計に真田さんに気を使わせてるかも!
「えーと、電車! 待って、電車だと真田さんが重い荷物を持って歩くのは大変。タクシーだとお金がかかるし……」
ーーーどうしよう。決められない!
あたふたと慌てる一子を見て秀馬が笑っていた。
「真田さん……笑ってる」
「俺は普通に笑うよ。特にあんたといると……なんとなく笑える」
「なんか……ありがとうございます!」
「なんだ? 一体なんのお礼だ?」
「私といると笑えるってことは、楽しいってことですよね?だから、私も嬉しいんです」
秀馬は、少し微笑んで一子を見てから首の辺りを指でかいていた。
「まあ……その……お互いにいいなら、いいんじゃないか? それより決まったのか? 電車にするかタクシーにするか」