《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
「秀馬さんは新谷麻耶と付き合ってるのかぁ。良かったぁ……」
何故か安堵している歩を秀馬は不思議に思った。
「何が良かったんだよ」
ステンレス製のジョーロの底に垂れてきた水をタオルで拭きながら歩を見る。
「一子ちゃんっすよ。秀馬さんに特定な人がいるってことなら安心だから」
「! なんで、その名前が出るんだよ」
秀馬は、既に水滴のついていないジョーロの底を何度もタオルで拭いた。
「秀馬さんが一子ちゃんを結構気にしてる風に見えたんすよね〜。すいません。こんなハイレベルな彼女がいたんすね〜俺、完全勘違い野郎ですね」
ーーー歩の奴、何を言い始めるんだよ! 本当に自他共に認める完全勘違い野郎だ。
「俺があの女を気にしてた? なんだそれ? 確かに髪型は気にしていたが、それだけだ」
雑誌を閉じた歩は、その雑誌を秀馬に差し出した。
「ですよねー。これ、店に置いとくのもなんだし、秀馬さん記念にとっときます?」
「取っておかない。いらない」
「じゃあ、捨てときますね〜」
歩は、雑誌を丸めてどっかへ持って行ってしまった。