《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★

麻耶と秀馬の写真の反響は、驚くほどに大きく店に来た客からも質問されたり、勝手に悲しがられたりした。

店の前にもカメラマンが何人か立ち、民放のテレビ局が取材にやって来た。

麻耶との仲を聞かれるたびに、秀馬は笑顔で答えた。

「大切な友人の一人です」

実際、その通りなのだから、それ以外に答えようがなかった。



「秀馬さん、有名人との交際は大変っすねー」
バックルームに入ってくるなり、歩がカツカレー弁当を食べている秀馬に気の毒そうに言ってきた。

「だから、交際してない」

レンジにカツカレー弁当を入れた歩が、驚いたように振り返る。

「え?! 交際してないんすか? マジで?」

「ああ」

「そりゃないっすよ〜。秀馬さん、どうするんです? パーティー。まさか同伴者無し?」
身を乗り出して、秀馬の顔を見てくる歩。
< 164 / 342 >

この作品をシェア

pagetop