《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
「夜分遅くに申し訳ありません。あのイケメンカリスマ美容師の真田さんですか?」
小学生くらいの女の子だった。
頷きながら秀馬は、電話の向こうにいるマッツンに向かって「ちょっと、客がいた。あとでかける」といい、通話を止めてスマホをポケットへ入れた。
ーーーこんな遅くに近所の子供か? それにしても女の子が1人で危険だろ。
「きみは、この辺りの子かな?」
かがんで、視線の高さを合わせる秀馬。
ーーーにしても、大きな目をしてる。この目、誰かに似てる。
「子供扱いしないでください」
「あ、そう? じゃ、誰? 」
「はじめまして、村山末子です」
「末子……すえこ?!」
その名前には聞き覚えがある。一番末の子供だからという安易な理由でつけられた名前だ。
ーーーってことは?
ーーー似てるはずだ。アレに……。
秀馬の頭にうかんだのは、一子の顔だった。
「どうも、末子さん。で、俺に用事? それに1人で来たの?」
秀馬は周りを見回してみた。