《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
「いいから、早く!」
襖が開けられて、秀馬は背中を押されてつまずきそうになりながら中へ入った。
秀馬が入った途端にピシャリと閉じられた襖。
ーーーなんだよ。全く……。
「だ…れ?」
暗い部屋の中。消えそうにか細い女の声が聞こえてきた。
「真田だ。電気つけるぞ」
秀馬は、壁に手を伸ばしたが電気のスイッチらしきものが見当たらなかった。
「さ、真田さん?! まさか」
「まさかも何もあんたの妹たちに呼ばれたんだ」
カサッと何か動く音がする。
「電気のスイッチは、どこだ? 見えないんだが」
「……」
カチッと音がしてデスクなどに置くような小さいライトの明かりが床の近くでついた。
布団に寝た状態の一子が見えた。
「おい、本当に病気だったのか?」
秀馬は一子の妹たちに聞いたときは、信じられなかった。
『一子姉が、病気になって動けないの。だから、助けてください。真田さん』と末子が懇願してきた時も半信半疑だった。
『カリスマのおにいさんしか一子姉の病気治せないと思うんだよね〜』と三津子に言われて、何故俺にしか治せないんだという疑問はわいた。だが、考える暇もなく末子と三津子に拉致られて村山家まで来てしまった。