《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
「良かったぁ。元気になったみたいでさ〜」
歩は、村山家で余り物のハヤシライスを食べ、まったりとコタツで末子や三津子も交えてトランプなんかして遊んだ。
まだ末子が遊びたがったが、明日も仕事だし帰ると言い出した歩を大通りまで見送ると言って家を出てきた一子。
「ありがとう。歩さん」
「ん?」
「わざわざお見舞いなんて……嬉しかったです」
「そお? ならご褒美もらってもい〜い?」明るい調子で歩が言うので、一子も軽く返事をしていた。
「何がいいですか?」
立ち止まった歩が、急に背の低い一子を包み込むように抱きしめた。
「あ、歩さん?!」
困ったように見上げた一子に歩がニッコリ微笑んだ。一子の前髪に触れ、少し額を出し軽くキスをした。
「ご褒美、いただきました! ご馳走さま〜……ってごめんね。怒った? マジごめん」
手を合わせて潔く頭を下げる歩に一子は怒る気力を無くしていた。
「怒ってませんよ」
一子は微笑んで歩を見上げた。