《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
「ううん。行きますよ。パーティーなんて中々行けないし。有名人にも会えるかもしれないんですよね?」
別にミーハーでは無かったが、何か理由をつけた方がパーティーにも行きやすい。
「うん、去年も結構来たよ。秀馬さんは人脈ひろいから」
「なら、目の保養に行きましょ」
「うん、ありがと」
こうして一子は、歩を許し並んでパーティー会場へと向かう事にしたのだった。
ーーー大した嘘じゃあない。私と嘘ついてまでパーティーに一緒に行きたいって思ってくれた。それだけだ。
隣をあるく歩が、いつもより無口なのは、些細な嘘がばれたからだろうか?
一子には、いつも楽しそうに笑う歩がどことなく元気ないように見えていた。
だから、元気を出してもらいたくて自分から話しかけた。
「歩さん、パーティー楽しみですね?!」
「一子ちゃん……うん、楽しみだよね!」
それでも、テンションがいくらか低い気がして一子は、歩のことが心配になってきていた。
ーーー同伴がなくても良かったんじゃないかなんて、今ここで問い詰めるんじゃ無かった。私は意地悪だ。
歩さん、気にしてる。これじゃあ歩さんがパーティーを楽しめないかも。
全部私のせいだ。
なんとかしなくちゃ。
一子は、テンションの低い歩になんとか元気になってもらいたくて盛んに話しかけていた。