《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
パーティー会場には、まだ開始時間より前だというのに既に沢山の人が来ていた。会場の奥へ進む度、挨拶するために、歩が立ち止まる。
「一子ちゃん、ちょっとだけごめんね。世話になってる人がいるんだよ。滅多に会えない人だからさ〜」
「どうぞどうぞ」
1人になった一子は、ブュッフェ形式のお料理を見てまわることにした。
ーーーわー、ロブスター。すごい豪華!
こっちは、タラバガニのピザだって。贅沢だなぁ。
豪華な料理を前に何から食べようかと計画している一子。
「おい、もう食べ物を探してるのか?」
「え、まあ」
返事をしながら顔を上げて一子は、驚きのあまり飛び跳ねて後ろへ下がっていた。
「さ、真田さん!」
目の前には、ブルーブラックのトレンチコートにブラックのタートルネックセーター、千鳥格子のパンツ姿が素敵に決まっている秀馬が立っていた。
ーーー着替えてきたんだ。外人のモデルさんみたいに決まってる。
「そんなに驚くな。さっき言ったろ? パーティー会場でって」
一子の頭に秀馬の手がポンと置かれた。