《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
ステージに長峰仁美を伴い颯爽と上がっていく秀馬は、誰がどう見てもイケメンで素敵だった。
「……それでは、長い話は抜きにして今日は大いに楽しんで下さい。グラスを持って……」
ざわざわしていた声が静かになり、流れていた曲が止まる。
会場内に「メリークリスマス!」との秀馬の声が響き渡り、同時に軽快なリズムのクリスマスソングが流れ始めた。
ーーーかっこいい。真田さん。でも、あの長峰仁美さんくっつきすぎ。
一子は、シャンパンを一気に飲んで秀馬を遠くから見ていた。
秀馬の隣には、恋人みたいに張り付いている長峰仁美の姿がある。腕を組んで、大きな胸を秀馬の腕に押し付けてるようにも見えた。
ーーーやっぱり、真田さんも私みたいな子供体型の女じゃなくて、仁美さんみたいに大人な女が好きなんだろうな。
遠くから見ているしかない自分に切なくなってきた一子は、秀馬から目をそらして料理を食べるのに集中することに決めた。