《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★

ーーーあれ、歩さんは?

山盛りの皿をこぼさないように注意深く持って、元の場所に戻ってみたが歩の姿が見当たらなかった。


「あ、いた。歩さん? どうかしました?」

壁に並べられていた椅子にだるそうに座っている歩を見つけた。


「うん。ちょっと……落ち込んでる」

「……」
いつも元気な人が落ち込んでると、すごくかわいそうな感じに見えてしまう。


皿をテーブルに置き一子は、歩の隣に座り丸くなっている歩の背中をさすった。


「元気出してください。歩さんが元気ないと私まで切ないです」

「ごめん。一子ちゃん……」
力なく笑って見せる歩。


「俺、だめだなぁ〜。仕事もダメだし、恋も…」歩は、一子の顔を見つめた。


「見込みないしな……」

「歩さん……」


歩が一子の手を握る。
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