《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
「原宿の店長……店長になるって話……ダメになった。さっき、関東支部の部長に言われたんだ。他の奴にするんだって」
一子は、何を言えばいいのか迷っていた。
ーーー歩さん、末子にも言ってたのに。原宿の新しいお店の店長を任されるって。楽しみにしてたみたいだったのに。
「歩さん……あの……残念でしたね…でも歩さん……きっと次は……」
「次は、店長になれる? かもしれないよね。でも、俺は原宿店が良かったんだよ」
いつもみたいに語尾を伸ばさず話している歩は、怒りに震えていた。一子の手をぎゅっと握る歩の手は、汗ばんで震えていた。
「歩さん……あの…」
何か良い励ましの言葉はないかと、一子は必死に考えた。
「……仕事がダメなら……恋ぐらい実らせたいんだ」歩が背中に隠していた四角い包みを出した。
グリーン地にクリスマス柄の入ったペーパーでラッピングされ、ゴールドのリボンがかけられたものだった。
「クリスマスプレゼント。一子ちゃんに」
まっすぐに見つめてくる歩の瞳は、切なそうに揺れていた。