《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
「ありがとう。あの…ごめんなさい。私は何も用意してなくて……」
「いいんだよ。プレゼントって気持ちの大きい方が渡すもんだから」
「そうですか? あの後でお返ししますね」
「開けてみて」
歩に言われて膝の上でプレゼントを開けてみる一子。
中には、白いモヘアの毛糸で作られた手袋と何かのチケットが入っていた。
「わあ! 可愛い! 私、手袋欲しかったんです」
「でしょう? 良かった。使ってよね〜で、それは、映画のチケット」
「映画?」
「そう。一子ちゃんが好きだって言ってたアクションものだよ」
「わっ! 楽しみ」
「日にちは、24日。レイトショーだから。仕事終わりに行けるでしょ?」
ーーー24日。
一子の脳裏に浮かんできたのは、秀馬の顔と「イブは空けといて」「俺、クリスマスイブは、大事な人と過ごすって決めてるんだ」との言葉だった。