《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
「耕三さんこそ、どうして新谷さんと?」
歩が驚いた様子で耕三に尋ねる。
「ああ……麻耶、見せてやれよ」
「うん」
麻耶が左手を上げて歩に見せる。左手の薬指に光るダイヤの指輪があった。
「俺があげたんだぞ。給料のンヶ月分だ」
「え、じゃあ新谷さんは耕三さんの?」
更に驚いている歩。
「そ、麻耶は俺のフィアンセ」
麻耶の肩を抱いて見せる耕三。
「でも、あの写真は?」
「あれは、秀馬の所に相談に行った所を撮られただけで。秀馬と麻耶は、あの記事みたいな関係じゃないんだ」
耕三が一子に目を向けた。少し考える風にしていた耕三が目を少しだけ輝かせた。
「もしかして……きみなのかなぁ?」
耕三に優しく微笑みかけられた一子は、訳がわからず首をかしげる。
「なに? 耕三」
「ほら、話しただろ? 秀馬の口ぐせ『ホント』がついた女の子の話」
「ああ、アレね」訳知り顔した麻耶が耕三と一緒になって微笑み一子を見つめた。