《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★

「えっと……違いましたっけ?」


「とぼけるな。お前だろうが。チョコが好きなのは」


「ばれました? いやあ、仁美さんに秀馬さんって甘いもの好きかしら?って聞かれたもんで。どうせ秀馬さんは女からプレゼントされたものとか食べないし、どうせ回ってくんなら俺の好きなもんにしようかと」


「で、チョコレートって言うわけか? あ?」



「すみませんでした! 二度とウソはつきません……」深く頭を下げる歩。


「…後でみんなにも分けろ」


「はい。ありがとうございます。じゃ仕事に戻りま〜す」



歩が出て行ってから、秀馬はテーブルに近づいた。


「イモ……なんだってイモなんだ?」

首を傾げながら、イモの天ぷらを一つ摘み上げた。


ジロジロと観察して蛍光灯にかざしてみた。

「普通のイモだ。お礼がイモ? 理解に苦しむ」


ーーーあんな女が作ったイモ天なんか食べらる訳がない。食べない。食べてたまるか。


摘み上げた天ぷらをタッパーに戻して、秀馬は、テーブルに常備してあるウェットティッシュで手を入念に拭いた。



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