《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★

引き剥がそうと、仁美の二の腕を掴んだ。

やっとはがれたスッポンみたいな女をまじまじと見た。

「秀馬さん、この後うちに来る?」

ーーーまたか……。
正直、このスッポン女にはうんざりだ。


秀馬は指先で唇を軽く拭い、なんとか笑顔を作る。
「後で店長だけ同士が集まって飲み直すのが、恒例なので……すみません」と、適当な嘘をついた。


それから、急いで一子の姿を探してみたが見つからなかった。どこかへ移動したようだ。

ーーーどこに行ったんだ?

秀馬は、あちこちに視線を向けたが一子は会場のどこにもいなかった。



「秀馬さん、そろそろ前に……」
司会を頼んでいたスタッフに呼ばれ、秀馬は壇上へ向かった。




「では、ここで我らがaubuの社長! 真田秀馬さんに登場していただきます。どうぞ〜」

明るくて軽めの振りを受け、秀馬がマイクを持った。
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