《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
村山家の扉をガラガラッと勢いよく開けて先に一子を連れて中へ入る父親。
「さっさとお前も入れ!」
「はい、失礼します」
緊張しながら、父親のあとに続く秀馬。
コタツに入っていた三津子が、入ってきた秀馬に驚いていた。
「父さん、おかえり。あれ、おにいさん、どうしたのさ? 」
ーーー娘のキス現場を目撃したら、父親的には……やっぱり許しがたいよな。
秀馬は、突然現れた村山家の主人にどう対応したものかと考えあぐねていた。
「一子、その男はなんだ?」
土間に秀馬を立たせて、上り口に座り込む村山父。
一子も秀馬の隣に立ったままでいた。
「お父さん、その人カリスマなんだよ。初めてみるよね? カリスマ」
初めて秀馬を見た末子は、目を輝かせていた。
「カリマスでもカリヤドでも構わないけどよ、こいつは一子に唾つけやがった」
「唾つけるって、おにいさん一子姉になんかしてたの?」
興味津々で三津子が聞く。
「……いや、その」
父親の手前、キスしていたとは言いづらい。