《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
「俺が一番気にしていることを〜〜!」
すごい剣幕の村山父は、秀馬の胸を平手で突いて押し出す相撲技の突っ張りをはじめて秀馬を玄関へ追いやる。
「いて、いてててっ! やめてくださいよ! お義父さん」
「お義父さんだと?! あいにくだがウチにいる子供は女ばっかりだからな! 帰れ帰れ!」
ついに玄関の扉をガラガラと開けて、家の外へ例の突っ張り技で追い出されてしまう秀馬。勢いがよすぎて、玄関の外でしりもちをついていた。
「真田さん!」
心配そうな顔した一子の顔が奥に見えていた。
「二度とウチの敷居はまたがせないからな! 肝に命じとけ!」
勢いよく閉まる玄関扉。しりもちをついた秀馬は、ピシャリと締まった扉を呆気にとられて見つめていた。
ーーーマジか。すごい父親だな。世間の女の子の父親はこんなものなのか。
ゆっくり立ち上がり、コートの尻部分の汚れを手で払った。
ーーー参ったなぁ……。心象悪くしたよなぁ、俺。
秀馬は、長い息を吐いて村山家を眺めた。すると、家の横から何かがぴょんと飛び出してくる。
ーーーなんだ?! 今度は!