《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
「べ、べつに何も……」
やけに動揺している一子。

「なんだよ。どーしてそんなに動揺してるんだ?」

秀馬がテーブルにカップを置いて一子により近づく。

「あの」
あまりに首をすくめて、縮こまる姿が可愛すぎていた。

「なに?」
手を伸ばし一子の髪に触れた。

「わたし、真田さんと違って慣れてないんです」
「なにに?」

「え、こういうムードていうか、なんというか……」

緊張しているのかこわばった表情の一子。

「ムード? どんなムードだ?」

「え? なんか……」
完全に言い淀み、視線を泳がせる一子。


ーーー誘ってるのか? 可愛すぎる。

秀馬は、髪に触れていた手を一子の頰へ動かした。
< 276 / 342 >

この作品をシェア

pagetop