《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★

「あの、真田さん」


「ん? どうかしたのか?」

「ムードが漂ってます」


「どんなムードだ?」


「その……わたし、こういうの苦手で」

「じゃあ、任せて」
指先で一子の顎を上げ、そっと近寄る。

瞼を閉じた一子のまつ毛が、震えていた。
「可愛すぎだな…目に毒だ」

秀馬は、一子の上唇を挟むようにキスを始めた。瞼を閉じて、一子の唇を感じる。

小さくなるリップ音に胸が更に高鳴る。キスだけで感じる。

秀馬は、一子の反応を見ながら優しくキスを続けた。

ーーー甘い味がする。ココアの味だ。


味がわからなくなるまで、何度もキスをした。唇が腫れるんじゃないかとおもいながらも止められなかった。

それくらいに気分が高揚し、鼓動が激しく脈打ち、息があがる。

もっと、先に……。もっと、触れたい場所がある。


だが、秀馬はどうにか理性を取り戻していた。我ながら、並々ならぬ精神力だ。

乱れつつあった息を整えながら、一子の色香漂う顔を見つめた。


ーーーそんな顔するなよ。理性が飛ぶ。


一子の両肩に手を置いて、肘を伸ばした。
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