《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★

あの短いメールを最後に一子からは、メールもないし、電話しても「電波が届かない〜」という知らない女の声しか返って来なかった。


ーーーこのままじゃ、明日も連絡つかないか?

スタッフも帰っていったあと、バックルームでスマホをいじっていた秀馬のところに「失礼しま〜す」と声がして歩が入って来た。

「……ちょっと、忘れものを取りに来たんすけど……」

ロッカーへ向かう歩。


「お疲れ」
いう言葉が思い付かずにスマホを見たままでいた。


「秀馬さん、俺明日デートなんすよねー」
ロッカーの方から、話しかけてくる歩。

ガサガサと音をさせてから、ロッカーの扉を閉める音がした。


ーーーデート? いったい誰と? まさか!

ありえない考えに秀馬は、苦笑いしながら首を回した。
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