《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
ーーーまさかとは、思うが……。
秀馬は、再び一子に電話をしてみる。
呼び出し音が聞こえる。
ーーー歩と約束しているのか? 映画へ行き、2人でゆっくり出来る場所……
歩は、家の掃除をするとこれ見よがしに言っていた。あれは、勝ち誇った男の言葉だったのか?
「只今おかけになった電話番号は〜」
ーーーまたか。あいつは、どうしたんだ? 家に行って、また親父さんがいたら余計に怒らせるだろうか?
秀馬は、イラついて足に当たっていたテーブルの脚を蹴った。
「いてっ!」
爪先が痛んで、堪らずに手で押さえた。
ーーーくそぉ、いったいどうすりゃいい。
秀馬は、連絡のつかない一子を思い深いため息をついた。