《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
★クリスマスイブ
★クリスマスイブ
店の中に静かなクリスマスソングが流れていた。
「いらっしゃいま……!」
穏やかな昼下がり。
店には、窓からは暖かい陽射しが入り込んでいた。
そんな陽射しを浴びて、ピカピカと光り輝く……頭が店内に入ってきた。
待合室の客もその眩しさに目を細める。
「いらっしゃいませ。本日はどのように?」
受付のスタッフが、aubuではあまり見慣れない風貌の客に少し慌てて笑顔をみせる。
「そってくれよ。シャンプーは、いらねーから。家で体と一緒に洗うからよ」
男性の言葉に待合室にいた客が、くすくす笑う。
「はい、かしこまりました。おかけになってお待ち下さい」
眩しい頭の客の存在に気がついた秀馬は、思わず首に手をやった。
ーーーあれは……。間違いない。彼女の親父さんだ。
坊主頭の中年男性。どっからどう見ても
不似合いな場所に堂々として、雑誌を広げている姿は、どことなく恐ろしい。
秀馬は、突然店に現れた人物を見て全身が痒くなるのを感じていた。
腕をかきながら、スタッフに合図する。
「いいんですか? 秀馬さん…僕が担当しましょうか?」
他のスタッフが気を回してくれたが、やんわりと断る。
「いや、間違いなく僕のお客様だから」
言われたスタッフは、驚いたような顔を見せた。
ーーー仕方ない。どう考えても俺に会いに来たんだろうから。
秀馬は、首の関節を回してから気合いを入れて待合室へ向かった。