《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
「これ、一子ちゃんと行ったデートでのお土産です。ミラクルフルーツっていうやつのタブレットです」
ビニール袋に入っているタブレットを見た。
「なんで、俺に?」
「捨てるのもなんだし、なんか思い出ごと全て秀馬さんに渡して……」
バッグのファスナーを閉めて、バッグを背負い直す歩。
「今日まですべて、秀馬さんが好きな女と付き合うために設定したデートコースの下見だった。みたいな終わり方にしたいなあと」
「ややこしいな。考え方が」
「まあ、そういうふうに思えば、今回の失恋に関してっすけど、気がラクになるよーな? 」
照れたような笑い方をする歩。
ーーーそうだ。この笑顔、ここ数日は見てなかった。
「歩が思いたいようにすればいい。お前の気持ちは、お前のもんだからな」
「か〜、これだからなぁ。秀馬さんには敵わないっすよ。『お前の気持ちは、お前のもんだからな?』普通言わないっすよ」
秀馬の真似をして、秀馬の言葉を復唱する歩。