《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
「さっきから俺が一子って何度も呼んだの気がついてるか?」
一子は、また唸り考えてみた。
「あ〜そういえば…そうかも」
また、一子の顔を更に押さえて自分の方に集中させる秀馬。
「あ〜そうかもじゃないだろ? そうなんだよ。何度も呼んだんだ。なのに、全く反応ないし」
「すみません」
両方から顔を押されて、顔の肉が真ん中に集まるのがわかる。
「ん〜、顔の肉がぁ」
「顔の肉がなんだ?」
綺麗な秀馬の顔を見つめた。
ーーー私、今変な顔になってるんじゃないかなぁ。
「……なんだよ、その顔」秀馬が赤い顔していた。
「はぃ?」
秀馬が何のことを言っているのかわからずに気の抜けた返事をした。
「顔だよ! 可愛いすぎ!」
次の瞬間にはガバッと抱きしめられていた。
ーーーうそ〜ん? 可愛いすぎって? 両手でほっぺ押さえられてたのに?
ますます、訳がわからずに抱きしめられていると、耳元で秀馬がじれたように言う。
「ん〜、一子、手は?」
「へ?」
「俺に抱きしめられて、嫌なのか?」
ぶんぶんと頭を振る。
ーーー嫌じゃない。嬉しい。夢みたいだ。