《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
手を繋いで歩く。
そんなことさえ、すごく幸せだと思える。
ーーー真田さんといると、緊張してこちこちになるけど、なんだかとても嬉しい。不思議と涙が出るくらいに心が温かくなってきて、だんだん満ちたりてゆく。
一子が見上げると、秀馬がすぐに笑いかけてくれた。
ーーーうわー、かっこいい。こんなにかっこいい人と私、手を繋いだり、さっきなんて……。
一子は、そっと秀馬の横顔を盗みみる。
ーーーキスした。
恥ずかしくて一子はスヌードに顔を埋めた。
ーーー素敵なキスだった。倒れそうなくらいに。
もう一度だけ秀馬の横顔を盗み見ようと見上げてみると、それを知っていたかのように秀馬が不敵な笑みを浮かべて一子を見おろしていた。
「なんで、こそこそしてる?」
「い、あ、えっと〜こそこそなんかしてないですよ」
「俺の顔をこそこそ見てるだろ?」
ぬっと顔を近づけてくる秀馬。
「だって」
「だってなんだ?」
「見たくて……」
「何を」
「真田さんの顔を」
意を決して言った一子に、秀馬は唖然としていた。