《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★


「これでいいか?」
首をさんざんまわした後、向かい合って座っているフレンチレストラン。半分個室になっているとはいえ、いつ誰が近くを通るかわからない。
秀馬は腕は下げたままテーブルの上に顔を出していた。

「はい、いいですか?」
一子が尋ねると秀馬が、視線を泳がせた。

「うん。まあ、たぶん……どうぞ」

「行きます」

一子は、両手を伸ばして秀馬の頰に触れた。
ーーー硬い。すべすべ。
秀馬の頰を撫でてみる一子。


ーーーずっと触りたかったんだもん。真田さんの綺麗な顔。


思う存分触っていいし、見てもいいと言われ、ベタベタと触り観察している一子。

一子の観察は、ウエイトレスがシャンパンを持ってくるまで続いた。
< 298 / 342 >

この作品をシェア

pagetop