《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
一子の働くアンティークショップまで行き、夕飯の買い物を済ませて一子と共に秀馬のマンションへ向かう。ビニール袋を両手に下げ歩きながら、秀馬は思い出していた。
昨日の一子からのメッセージは、宝クジで一億が当たった時並みの驚きを秀馬にもたらした。
『明日から一週間、お父さん仕事でいないの』そんなダイナミックな情報を何気なく寄越してきた一子に、秀馬はものすごく焦ってしまった。
ーーー大晦日まで我慢するつもりだったけど……なんかビッグチャンス到来か?
ーーーいや、でもなんでこんなにアッサリしたメッセージなんだ? 誘う文句にしては色気がない。
もしかして、ただの世間話のノリで言ってるだけか?
それは、ないだろ。一子だって、仮にも29歳だ。そんなことを交際したばかりの男に言うことがどんな意味を持つかわかっているはず。
だが、秀馬は迷っていた。
ーーー変な誘い方して、嫌われたくはない。だが、このチャンスを棒に振ってしまうのは、あまりにも惜しい。
で、辿り着いた答えは、大人な男の仮面はかなぐり捨てて素直になる。これだった。