《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★

「おはようございます。秀馬さん」
出勤してきた秀馬に寄ってくる歩。


「秀馬さん、このタッパーなんですけど……」
昨日一子がイモ天を入れて持ってきたタッパーを歩が見せてくる。


「あ? それがどうした」
コートをハンガーにかけながら、秀馬が聞く。

「彼女、取りに来ますかねー? コレ。それとも秀馬さんが返しに行きます?」


「なんで俺が。あっちが勝手に持って来たんだろ? それに……なんであのざんきりは、捨てられる容器にしないんだ? わざわざ俺が、ざんきりに返しに行くだと?ふざけてんのか」

イラついてきた秀馬をなだめるように歩が言う。


「でも、ご馳走になった訳だし。秀馬さん、昨日言ってましたよね〜アンティークの店に行った話。近くでしょー? 彼女の店。今日帰り早く上がるんで俺が返しに行ってイイっすか?」


「いいけど、お前の言い方に引っかかる」椅子に座って秀馬は、首を傾げた。


「え? なんすか?」

「まるで、お前が返しに行きたいみたいな言い方だと思ってな」


「あ! 鋭い! さすがカリスマ美容師」
手をパチパチと叩く歩。



ーーーますます、わからない。何故、面倒なことを自らやりたがるんだ?


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