《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
「あ! これ飾ってくれてるんだぁ」
玄関に入ってすぐにある棚の上に例の動物の置き物を並べていた。
「ああ、後でゆっくり説明する」
「説明? 置き物の?」
脱いだ靴を揃えながら、一子が不思議そうな顔をした。
「そうなんだ。それには腹に文字があったろ?」
「うん、わかったの? 作者のメッセージ」興奮気味の一子をリビングへ来るように促し秀馬は置き物をすべて両手に抱えて一子の後からリビングに入った。
置き物をテーブルに並べておくと、見事に背中どうしを気持ち悪いくらいにくっつけて座る動物たち。
ーーーくっつき過ぎなんだよ。コレ。顔はリアルで、首が長い。俺には、こういった飾りものの類いの良し悪しが良くわからない。
「わあ、みんなくっついてる。温まってるみたい。かっわい〜」
一子の感想に秀馬は、首をまわした。
ーーーまあ、いい。一子が可愛いというなら、多少不気味なこいつらを可愛いことにしてやってもいい。
「俺が持っていた犬と猫も間にきちんと収まるんだ。順番は決まってるんだ」
「ヘェ〜! それでなんて! なんてメッセージが?」
コートも脱がずにソファに座り、置き物を眺める一子。
ーーー参ったな。
見つかったメッセージは、後で2人の仲が少し温まった時に話したかったんだけどな。
こう、お互いに熱くなってムードが盛り上がってから……。