《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★

「それは、後のお楽しみにして……今は御飯を食べないか? 一子、お腹減ったろ?」

「えー、後で? そんなにややこしいメッセージなの? 一文字ずつなのに。英語だった?それとも?」
大きく瞳を輝かせている一子。


その様子は親が密かに買ってかくしておいたおもちゃを、たまたま見つけてしまった子供みたいだった。
「後で遊びなさい」と言われても待ちきれなくて、御飯を食べていても、ついつい意識がおもちゃへ向いてしまう。今の一子は、そんな風だ。


ーーーこのままだと俺のことまで、ないがしろにされそうだな。

仕方なくエアコンをつけて、コートを脱いだ秀馬は、ソファに行き一子の隣に座る。

「いいか? すべての動物をこうして」
並べたままの動物を両手で乱れないように押さえて、同時にひっくり返す。


動物の腹が現れて、腹に描かれた小さい文字が読めるようになった。
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