《大.落》♥ やらかしちまって！〜眠り姫★

コートをやっと脱がせて、ソファに座らせた一子の肩を抱く。一子が秀馬の肩に頭をもたせかけてきた。

ーーーやっと、先に進める。


一子の顔を見ると、赤くなった頰が艶めいた唇が秀馬を誘う。

キスをしようとして、秀馬が一子に近づいた時に

キュルキュルキュル〜〜〜

驚くほどに大きな音が一子から聞こえた。

「なんだ、今の」

「ごめんなさい。お腹が減って」
済まなそうに肩をすくめる一子。


ーーー色気より食い気か。


秀馬は、一子の手をとり立ち上がらせた。
「じゃ、2人でちゃっちゃと鍋の用意しようか？ 少し飲みながら作ろう」

「うん、お腹ぺこぺこ」

キッチンで缶ビールを片手に鍋の準備を始めた。

ーーー何、少しくらい焦らされた方が燃えるってもんだしな。

秀馬は、白菜を洗い始めた一子の後ろへ周り、軽く背中からハグして一子の肩に顎を乗せた。