《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★

キッチンでするキスは、なんとも甘美だ。頭の先から足の先まで痺れるくらいだ。

ーーー鍋は、いつでも食べられる。目の前の一子は、いつでもって訳にはいかない!

一子とキスを交わし、秀馬は待ちきれないとばかりに一子を抱きかかえて寝室へ行こうとしていた。

ところが、聞いたことの無い、やけに軽快な音楽がリビングから聞こえてくる。

ーーーなんだ?

驚いて足を止めると、一子が秀馬の腕から飛び出していた。


「ごめんなさい、わたしのスマホです。誰だろ?」

一子がソファに置いていたバッグからスマホを取り出していた。


ーーー腹の音の次は、着信音? 嫌な予感がする。


「三津子? え、そうなの? 早く言ってよ」
高い声を出す一子。

スマホを耳に当てた一子が眉毛をハの字にさせて秀馬を見つめてくる。

ーーーそら、きた。なんだ? その顔は?

ショックで崩れおちそうになる自分の体をなんとか持ちこたえる秀馬。



話し終えたらしい一子に、
「どうかしたのか?」と冷静に聞けた秀馬。

ーーー冷静になれた自分を褒めてやりたいよ。全く……。


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