《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
◎ははは、
◎ははは、
「三津子?」
本当は、焦りまくっていた。
ーーーだって、今さっきまで私、真田さんに思い切り抱っこされていたんだから。
スマホを耳に当てた今も、腿や背中に残る真田さんの腕の感覚。
真田さんと交わすキスは、いつも緊張で震えながらもしだいに舞い上がっていく。
「じゃまして悪いんだけどぉ、いちおー、不二子姉がさ〜母さんが急遽退院したことだけ一子姉にも伝えろって。あたしは一子姉がカリスマんちにいるから、やめときたかったんだけどさぁ」
ーーー退院? まだ先のはず。
「母さんってば〜、お金のこと気にしてさ〜1日でも入院してる日が少ない方がいいからって〜勝手に退院してきた〜」
ーーーやだ! 母さんっ!
「早く言ってよ。母さんは、今どうしてる?」
「ん〜元気に台所でなんかやってる」
ーーー退院してきたばかりで、母さんってば何やってんの!
一子は電話をしながら、秀馬を見つめた。
ーーー私から勇気出して、父さんが仕事で一週間いないって連絡したのに。愛してるってメッセージまでもらったのに。
一子は、ため息をついて電話を切った。