《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
「彼女って……なんつうか、素朴で純粋ですよねー。だって、さつまいもの天ぷらですよ! 俺、すげー感動したっていうか……」
思い出すみたいにどこかを見上げタッパーを抱きしめる歩。
ーーー感動……イモ天に感動。素朴? イモくさい女がイモを持ってきただけの話だ。それを世間では素朴というのか?
「笑顔もぱあっと明るくて……」
歩が片手を大きく回しながら嬉しそうに話す。
ーーー笑顔……
髪をカットして出て行く時の一子を思い出していた。
ーーーぱあっと明るい? そうだったか?
「だから、俺、頑張っちゃおっかなぁ〜って」
「何に頑張るんだよ」
「彼女を俺の彼女に出来るように頑張るんっすよぉ」
口角と右手の拳を同時に上げる歩。
「なんで」
ーーーなぜ、頑張ってまで、ざんきりを彼女に? 理解出来ない。
「俺、もうそろそろ本気で恋愛しよっかなぁって……マジに考えてんすよねぇ」
ーーーますます、理解出来ない。マジになるとなぜあのざんきりに行き着くんだ?