《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★

「俺、子供ほしいんすよねー」
歩が続けた言葉に、秀馬はひどく狼狽えた。

ーーー子供? そんなことを歩は考えていたのか! 俺は今まで考えた事も無かった。

子供と関わりのない生活を送ってきた。子供とは、道ですれ違うだけの存在だ。一人っ子なせいもあるが、秀馬は子供が苦手だ。
子供を欲しいと思ったことは皆無だった。


「自分の分身っすょー。欲しいでしょ。やっぱ。で、彼女なら〜いい奥さん、いい母親になりそうだし」


「あのざんきりが? いい奥さん? いい母親?」


「はい。絶対、いいっすよ。彼女! って訳で秀馬さん。彼女の店の場所教えてくださいね」

ーーーいいっすよ? 何がいいのか、さっぱりわからない。


秀馬は、歩が大事そうに抱えるタッパーを見つめた。

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