《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
一子とふざけあって、そのまま眠り、起きたのは、昼近くだった。
秀馬は、一階のエントランスまで新聞を取りに行った。
ポストをのぞくと、年賀状も束で届いていた。最近はSNSで済ませてしまうことも多くなったが、まだまだ年賀状のやり取りもある。
エレベーターで上がりながら、年賀状を何枚か見てみる。
その中に、筆ペンで書かれたハガキがあった。
差し出し人の名前を確認する。
春日 琴音。
達筆な字は、今年も健在だった。毎年、年賀状とバースデーカードだけのやり取りだ。
ーーー母親は、ハガキひとつ寄越さないのに……叔母さんは、マメだな。
母親の実の姉であり、母がいた頃は良く遊びにきていたものだ。絵本をよく読んでもらった。
エレベーターを降りて、部屋に戻ってハガキと新聞をリビングのテーブルに置いた。
寝室のドアを開けて、そっとベッドへ近づく。両手を広げて一子が無邪気に寝ていた。
近づいて一子の顔を見つめた。カーテンから細く漏れる明かりが、一子の鼻先をかすめていた。
ーーー無邪気な眠り姫は、王子様のキスで目を覚ましましたとさ……。
秀馬は、一子の唇にゆっくりキスを落とした。