《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★

お雑煮を用意している間に、一子が年賀状を見てもいいかと言ってきた。

「ああ、どうぞ」


「わあー、達筆ね」

「ああ、それは俺の母親のお姉さん。唯一、母方の親戚で連絡取ってる人だな。まあ、連絡って言っても葉書の類だけだけど。この年になっても俺の誕生日にはバースデーカードを必ずくれるんだ」


「うあー、素敵ね。私バースデーカードなんかもらったことないかも」
羨ましがる一子。


「これからは、俺が毎年カード送るから心配するな」

ダイニングテーブルにお雑煮の入った御椀を並べる秀馬。



「ほら、おいで。食べるぞ」


「はあい、ありがとう」

走ってきて椅子に座る一子。


一子のお椀には、初めから餅を二個入れてある。
―――それでも足りないかな?


「いただきます」

「いただきまあす」

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