《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
★やらかしちまって!
★やらかしちまった
「ほら、行くぞ」
家の玄関で、秀馬は奥へ声をかける。
「待って。忘れ物ないか……確認を」
バタバタとスリッパの音を鳴らして廊下に出てきた一子。
「またかよ」
「秀馬さん、お弁当は?」
「持った。お前こそ、弁当持ったのか?」
「あ!」
声を上げサラサラとしたシフォンスカートを翻し奥へ引き返していく一子。
「全く……」
ーーー毎日、これだ。何か忘れないと出かけられないのか?
ため息をつき、一子が玄関に来るのを待つ秀馬。
「ごめんね。もう、大丈夫だから」
靴を履く一子の顔を覗き込む秀馬。
「ほんとか?」
「うん。ほんと!」
元気よく子供みたいに答える一子。
ーーー全く……
「いや…忘れてるだろ」
一子の腰を引き寄せ、軽めのキスをする秀馬。
ーーー俺の嫁さんは、今日も可愛いすぎるな。
唇を離してみると、相変わらず真っ赤な顔する一子。