《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
家に帰った秀馬は電気を点けコートを脱ぎながら、ふとテーブルの上にある置き物の犬と目が合った。
ーーーイモ。……そう言えば、歩の奴はタッパーを返しにあのざんぎりの店に行ったんだろうか?
犬の置き物を手にして、うろうろと歩いたがやはり置き場所が決まらない。
ーーーやっぱり、俺の家には合わない。店に置こう。
コートのポケットに犬の置き物を入れた秀馬は、寝室の棚から胃薬を出してきた。
ーーーフォアグラの後味は、最悪だ。はあ、さっぱりしたものが食べたい。
部屋着に着替えて、キッチンで秀馬は、お湯を沸かし始める。
ーーーさっぱりと言えば、お茶漬けだな。
頷きながら、茶碗に冷やご飯を入れてお茶漬けを振りかけた。お湯が沸くのを待ちながらテレビを点けてみた。
液晶画面には、車のCMが流れていて男の子と父親役の俳優が仲良く歩いていた。
ーーー子供か……自分の子供なんていたら、どんな感じだろうな。やっぱり、可愛いんだろうか? さっぱり見当がつかない。
秀馬は、首を左右に曲げて関節を鳴らした。