《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★


肩にもたれかかってきた一子を人差し指で押し返す秀馬。


ーーー俺にもたれかかるなんて、一体何様なんだ?


一旦は、まっすぐ寝ていた一子は、がくんと頭を後ろに垂らした。口を開いて見るも無残な状態だった。

舌打ちした秀馬が両手を使い一子の頭を元の位置に戻した。

がくんとなっては傾き、また戻る一子を見ていた秀馬は、大きく息を吐いた。


ーーー仕方ない。まだ時間に余裕があるから……。


揺れる一子の頭を片手を使い、自分の肩に乗せる秀馬。膝にかけたコートもなおしてやる。


爽やかな朝だ。1日の始まりだ。会社へ行く人や学校へ行く人が無表情で歩いている。

急いでいる人やゆっくり歩いている人。


そんな人たちを見ながら、ベンチに座り呑気に寝ている女に肩を貸している秀馬。

何分かそうしていたが、やがて秀馬は腕時計を確認してハッとする。

ーーー俺としたことが! なんて無駄な時間を過ごしてるんだ?



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