《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
女性は、いくつになっても夢を見る生き物だ。
幼い頃に遊びでドレスを着て、女の子はお姫様に変身した。
女の子から大人の女性になった今でもまだ、お姫様気分を味わいたい。そういう場所を求めている。
いや、もしかすると幼い頃より本気でお姫様扱いされることを願っているのかもしれない。
女性は、いつだってお姫様みたいに綺麗でいたい。褒められたい。自分を認められたいのだ。
だから、秀馬は自分の店に来たお客さまをお姫様みたいに扱う。お姫様気分でいられるお手伝いをするのだ。
ーーーaubuに来たお客様は、みんな大切なお姫様だ。
「佐々木様、また来月お会い出来るのを楽しみにしております。ありがとうございました」
客の満足そうな笑顔が秀馬の活力になっていた。1日にたくさんの笑顔が見られれば幸せだった。
ーーー俺は仕事が好きだ。きっと、俺の人生は、それでいい。
秀馬は客に扉を開けてやる。
外の世界へ帰っていくお姫様が次回aubuに来るまでに、魔法がすっかりとけてしまわないように願いながら、秀馬は優しい眼差しで見送っていた。