《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★

笑顔を消してから黙ってしまった秀馬。
それでも、一子の家の近くまで送ってくれた。



「ここでいいのか?」

「はい、ありがとうございました」

昭和なにおいのする古い建物が立ち並んでいる自販機の前。

ここから入り組んだ細い道を通ると、途中に青い屋根の一般的に言えばボロい又は、人住んでるの? 的な雰囲気の一軒家がある。
そこが、村山家だ。


「家まで…」「大丈夫です。ありがとうございます」
秀馬の言葉に被せ気味にお礼を言いながら、一向に歩いて行く気配のない一子。


「……行けば?」


「いえ、真田さんを見送りたいので」


「? あ、そう。じゃ」
くるりときびすを返した秀馬の足にぴたっと何かがくっついてきた。


驚いて下を向いた秀馬の目に飛び込んで来たのは……。
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