《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
「来週の週末は、どうですか?」
「今週のが都合つきやすいが……まあいい。わかった。なんとかする」
包まれた置物を手にして、店を出ようとする秀馬。
「ありがとうございます。あの!」
「なんだ?」
「コーヒーでも入れます。だから、もう少しいられませんか?」
大きな瞳を秀馬に向けせがむように言う一子。
秀馬は、ドアの取っ手にかけていた手を外して少しだけ口角を上げた。
「いられないことも無い。缶コーヒーじゃないよな?」
白い椅子を秀馬に勧める一子。
コーヒーカップを用意しながら、一子は微笑んでいた。
―――真田さんともう少しだけ一緒にいられる。嬉しいな。