《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
冷たい氷を摘まんだままの一子を見て、しぶしぶ口を開ける秀馬。秀馬の顔は、心なしか赤くなっていた。


氷を秀馬の口へ放り込んだ一子は、満足していた。

「少しは違うはずですから」



「……」ごろごろと口の中で氷を転がす秀馬。片方のほっぺたが膨らんで一子には、可愛く見えていた。



くすっ……



「なにが可笑しい」



「いえ、可愛いなあって」
また、笑う。


「可愛い? そんなこと35歳の男に言う言葉か? まったく」
真っ赤になる秀馬を見て、一子の胸はあったかくなっていった。


―――かっこいいだけじゃないなあ。真田さんって。


耳まで赤くなり照れ隠しみたいにそっぽを向く秀馬を見て、またくすくす笑う一子の心は、ほんわかと温かい想いで満たされていった。



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