《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★



歩が天ぷらを入れて渡したタッパーをわざわざ洗って、一子の勤務先であるアンティークのお店まで持ってきてくれた日。

『天ぷらすごーく旨かったですって皆が言ってたよ。ごちそうさまでした。もちろん、秀馬さんもね。それとは別に、一子ちゃんに相談があるんだけど……』
と相談を持ちかけられたのだ。

歩の相談って言うのは、秀馬のことだった。


『秀馬さんがね、好きな女の子がいるんだって。で、誘いたいみたいでさ。すげーいいデートコースの無いかって聞かれちゃって。俺、自分で体感したものしか人に勧められない性質でね。いいデートコースを思いついてんだけど、体感した事なくてさ、下見しときたいんだよね~。で、提案なんだけど下見に付き合ってくんないかなー』


『下見ですか?』


『そうなんだよ。たまには秀馬さんの役に立ちたいんだよね』



『デートの下見……』

―――真田さんの好きな人って、どんな人なんだろう。きっと、大人っぽくて美人なんだろうなー。もしかして、タレントとかかも。この前店に来てた長峰仁美さんとか。

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