《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
ジュラシックツリーと言われる杉に似た樹木には、「ウォレマイパイン」という札がかかっていた。
「えっと、名前がふたつあるの?」
気になって一子は、歩に聞いてみた。
「さあ? 聞いてみるね」
すぐに、係員に聞きに行こうとする歩。
「え? あ、別に聞きに行かなくても」
慌てて止めてみたが、すでに遅かった。すぐに行動に移す性質らしく係員らしき人に声をかけていた。
―――フットワーク軽いなあ。歩さんって。
ジュラシックツリーの周りには人が集まり、クリスマスツリーみたいに飾りつけしたりオーナメントを作成したりと賑わっていた。
歩を待っている間、一子もぐるりとツリーを見て周った。
木の葉でつくられた飾りや、茎を使った手作り感溢れるオーナメントが、あたたかい雰囲気をかもし出していた。
―――素敵。そうだ。うちもそろそろクリスマスツリー飾らないと!