《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
「一子ちゃんはさ、どういう恋愛がしたい?」
植物を眺めのんびり歩きながら、歩が聞いてきた。
「えっ、考えたことなかったな。どうだろう?」
首をひねる一子。
「やっぱり、楽しいのが一番じゃね?」
「あ、うん」
楽しい恋愛。恋愛は、楽しい方がいい。それは大事だ。
「それと、一緒にいて癒されたいよね」
「え、うん」
癒し。それは大事だ。一緒にいて、いつもピリピリしていたら困る。
「あとさ、お互いが信頼しあえて束縛しあわない関係がベストっしょ」
「あ……そうだね」
歩の恋愛感の話は、そこで終了して次に、これから行くランチの店の話題に変わった。
頷きながらも一子は、なんだか一番大切なものを忘れている気がしていた。