《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
ランチは、マリーナの見える景色のいいレストランだった。
本日のランチは、
「いいですね。このコースなら、きっと真田さんにも喜んでもらえますよ」
「そう? 一子ちゃんも喜んでくれてるってこと?」
「はい。もちろん」
「良かった。あのさ〜一子ちゃん」
「はい?」
歩が一子に熱心に語る間、夏の忘れ物みたいに海色をした店内にはアメリカのアイドルグループが歌う懐かしい名曲が流れていた。
甘い歌声を口ずさめるほどに、良く聞いた曲だった。哀しく切ない歌で、そうだったらいいのに………って願う歌。
「……どう? 行ける?」
説明の後、切なそうに言う歩の顔と店に流れる曲が妙にマッチしてしまい、一子は胸を打たれたように返事をしていた。
「いいですよ。私でいいなら……」