《大.落》♥ やらかしちまって!〜眠り姫★
★かさ
★かさ
日曜日は、いつもより忙しい。一般客も平日の倍はいる。待合室も一杯だった。
目まぐるしく時間が過ぎ、問題もなく、お客様がみんなお姫様気分を味わって帰って行った。と、思える。
ーーーあ、王子さまも数人いたな。
あっと言う間に訪れた閉店時間。
「ありがとうございます。また、お越しくださいませ」
全員で最後の客を完全に見送ってから店の片付けが始まった。
片付けは、最後の客が帰る前には絶対に始めない。
最後の客が『あ、私が最後なんだ。片付け始まってる。きっと早く終わらないかなって従業員の人達が思ってるかも』なんてことを思って気詰まりにならないようにする。
お客様に愛情と思いやりを。それが、aubuの接客基本姿勢のテーマだ。
受付でパソコンを操作している秀馬に歩が話しかけてきた。
「お疲れさまです。秀馬さん」
「ああ、お疲れ。今日は、哲也の代わりもやらせて悪かったな。助かった」
トップスタイリストである哲也が、病欠だったため、余計にスタイリストの仕事量は増したのだ。
「いえいえ〜問題ないっすよ〜。ところで、秀馬さん!」
ノートパソコンを畳み顔を上げた秀馬は、ニヤニヤする歩を見て嫌な予感がしていた。
「なんだ? 飯か? 高いもんは、胃にくるから、あっさりしたもんにしろ。な? 」
「違いますよ。俺は昨日から、お腹もいっぱい。胸もいっぱいですから」
そう言って胸を抑える歩。
ーーー胸いっぱい? なんだそれは……。
訳のわからない秀馬は、歩をけったいなものでも見るように眺めて、痒くなってきた首筋を指でポリポリとかいた。
日曜日は、いつもより忙しい。一般客も平日の倍はいる。待合室も一杯だった。
目まぐるしく時間が過ぎ、問題もなく、お客様がみんなお姫様気分を味わって帰って行った。と、思える。
ーーーあ、王子さまも数人いたな。
あっと言う間に訪れた閉店時間。
「ありがとうございます。また、お越しくださいませ」
全員で最後の客を完全に見送ってから店の片付けが始まった。
片付けは、最後の客が帰る前には絶対に始めない。
最後の客が『あ、私が最後なんだ。片付け始まってる。きっと早く終わらないかなって従業員の人達が思ってるかも』なんてことを思って気詰まりにならないようにする。
お客様に愛情と思いやりを。それが、aubuの接客基本姿勢のテーマだ。
受付でパソコンを操作している秀馬に歩が話しかけてきた。
「お疲れさまです。秀馬さん」
「ああ、お疲れ。今日は、哲也の代わりもやらせて悪かったな。助かった」
トップスタイリストである哲也が、病欠だったため、余計にスタイリストの仕事量は増したのだ。
「いえいえ〜問題ないっすよ〜。ところで、秀馬さん!」
ノートパソコンを畳み顔を上げた秀馬は、ニヤニヤする歩を見て嫌な予感がしていた。
「なんだ? 飯か? 高いもんは、胃にくるから、あっさりしたもんにしろ。な? 」
「違いますよ。俺は昨日から、お腹もいっぱい。胸もいっぱいですから」
そう言って胸を抑える歩。
ーーー胸いっぱい? なんだそれは……。
訳のわからない秀馬は、歩をけったいなものでも見るように眺めて、痒くなってきた首筋を指でポリポリとかいた。